風通しにはまず、窓を開けた時に自然の風が入りやすい環境にすることが必要でしょう。間取りを決める時には、建物や庭の植栽が風を妨げないように窓を配置します。夏の暑さが室内にこもりやすいといわれる高断熱、高気密の省エネ住宅ですが、風通しを確保し、風と一緒に暑さを逃がすことで解決できます。
窓の大きさや方位も風通しの良し悪しを決める重要な条件です。基本的に南面に大きな窓、東、西、北には必要最小限の大きさの窓を設置します。
窓を大きくすると熱損失が大きくなってしまいます。このため、日射を得る窓以外は風が通る最小限の大きさにとどめることが省エネにつながります。そして、風の入口と出口をあらかじめ考慮し、2面以上の壁に窓を配置することも重要です。
最近では開放感を高めるために、玄関やリビングに吹き抜け空間を設ける住宅が増えています。これの利点は風通しがよく、特に夏は涼しいということです。吹き抜けの壁に大きな窓を設けることで光による明るさと熱も期待できます。
吹き抜けの風通し効果を最大限に発揮するためには、1階から吹き抜けの窓へ空気が流れるよう、窓や換気扇を工夫することが必要です。
しかし、冬には暖かい空気が吹き抜け上部にたまり、1階の床面の温度が下がるという問題もあるので、空間全体を均一な温度に近づけるために屋根や壁の断熱をしっかり行うことと、天井扇で空気を循環させるなどの方法をあらかじめ考えておくことも重要です。