家庭における省エネルギー対策のひとつにエコキュートの導入があります。エコキュートは自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機のことです。近年では各電力会社や給湯機メーカーが競って開発、販売していて、テレビCMや新聞広告などでよく目にするようになりました。
エコキュートは空気熱を利用して湯を沸かす高効率給湯機で、湧いた湯はお風呂や調理、最近では温水床暖房やパネルヒータ−にまで利用できるようになっています。
エコキュートで湯を沸かすために消費する電気エネルギーは、熱エネルギーの場合の3分の1程度で、従来の給湯機に比べてCO2排出量を60%、削減することができるのです。冷媒にはフロンではなく、CO2が使用されますが、これは工場などで発生したCO2を利用しています。
つまり、エコキュートは地球温暖化の元凶であるCO2を逆に利用し、大幅に省エネ効果をあげる画期的な給湯機として高い評価を受けているものなのです。
エコキュートは2000年に開発されたもので、2006年には約48万台が設置され、経済企画庁は2010年までに520万台の設置を目標にしています。
設置をするには初期費用がかかりますが、国の補助金制度を利用すれば少し負担は軽減されます。長い目で見れば、月々の光熱費の削減など、経済的なメリットがあるといえます。
ただし、エコキュートにデメリットがないわけではありません。まず、装置自体が大きいので、設置スペースが必要なこと、寒冷地に対応していないことなどです。今後改善していけば、さらに普及は期待できそうです。